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Medium Coeriへようこそ。お手数ですが初めてお越し下さった方は『始まりの挨拶』を一読し、納得なさってからご観覧下さい*このブログは同背後PCが共有で使っています。同背後バレが嫌な方は申し訳無いですがお引き取り下さい

偽旅団シナリオ「食って、飲んで、楽しんで」

場所、無限のファンタジアより
旅団「月華映す泉の辺」にて行われた偽旅団シナリオ
作者はこの旅団の団員だったアヤノ・ウミソダチノさんです



シナリオ参加者
鯨捕りの女・アヤノ・ウミソダチノ(a23241)(偽シナリオマスター)
銀髪の悪魔・キキョウ(a26149)
那由多へ導く銀箭の矢風・トイ(a19899)
エンジェルの邪竜導士・ラディクス(a18334) (参加自キャラ)
呪眼暗殺者・リュウエン(a26419)
心鏡に佇む堕天使・ユールナ(a18398)
頭痛持ちの敗残兵・ステールッラ(a27469)
笑顔の内に潜む影・エルド(a28583)



リプレイは長くなるため追記にて記載しています
シナリオが読みたい場合は多少面倒ですが続きを読むをクリック願います

                             <リプレイ>

つやつやに磨かれた見事なスイカと、スイカにまけないダイナマイトバスト。
 いつもよりずっと胸の強調された服を着た、鯨捕りの女・アヤノは、持ってきたスイカをおいて、小さく
 畳んだメモを開いた。
   
「皆さんの食べたいもの集計しますと、えーと、クジラ、サザエ、にんじん、焼きそば、ん?イカメシ?か
 な、これは。ジンギスカン肉、果物類、甘いもの、紅茶、たこさんウインナー、ビール・・・ステールッ
 ラだね。アルコール解禁っていったしな。私は魚介類とマトン持ってきたよ。
あと甘いものはケーキ焼いてきた。
   
 野菜担当のトイは問題ないとして、肉ちゃんと集まるかね。」
「3人行ったんなら大丈夫だと思うよ。あ、ぼくはメロンと紅茶持ってきたし。何もなくても、これだけあ
 れば十分食べれるんじゃない?」
 笑顔の内に潜む影・エルドは微笑んで言った。
  
「らう、肉ないのか?そんなのいやなー。」
 ぶーたれているのはもちろん、エンジェルの邪竜導師、ラディクスだ。
「あーもう、なけりゃあ亀でも捕ってきてあげるわよっ」
「アヤノ、俺のサザエ忘れてないよね~?あ、でもほら、たこさんウインナーは持ってきた~☆」
「忘れてない、忘れてない。今朝潜ってとってきた。」
 心鏡に佇む堕天使・ユールナをおしやり、魚籠を引っくり返す。
 魚籠からは様々な種類の貝や海藻が転がり落ちた。
  
 立ち上がったアヤノが勢い良く手を打ち鳴らす。
 「はいはいはい!かまどの準備するよー!」
 エルドとアヤノと、アヤノに引っ張られたユールナが、火を起こす間、ラディクスは悪戯な子猫のような
 手つきで魚籠からイカを取り出した。まだ丸のままである。
  
「アヤノーー!イカメシできないなーー?」
 アヤノは振り返った。ラディクスの方へ行き、イカの足を引っ張って内臓を取り出していく。丁寧に水で
 洗ってラディクスの方に差し出した。
 「ご飯はこれね。ふくれるから半分くらいでいいわ。」
 それだけいうと彼女は、慣れた手つきで火をおこすエルドの応援にいってしまった。
 独り残されたラディクスは、最初のうちはいわれた通り米をつめていたが、そのうち飽きてしまった。
 彼女は、当たりを見回し、手当りしだいに食材をイカにつめていった。
    
   
 弦が弾かれ、弓がなる。アヤノから借りた物なので、いまいち手に馴染まない。
 それでも矢は、牡鹿の胸にふかぶかと突き刺さった。
 彼と鹿とは、低い崖で隔てられていたが、草を編んだサンダルを履いた足は、軽やかに
 崖を飛び越えた。
 彼は、倒れた鹿の傍らに跪いた。
  
「きょうだいよ、殺してすまない。お前の魂が無事に天に昇れるように。」
 頭痛持ちの敗残兵・ステールッラは鹿の喉を切り取り、地面に埋めた。
 普段は戦闘服姿の彼も、この時ばかりは一族の民族衣装を着ていた。
 狩猟は、彼にとって重要な宗教儀式である。
   
 皮を剥いで始末を終えたステールッラは、今度は自分の食べ物を探しはじめた。
 老木を見つける度、ほぼ90%の確率で親指ほどもある蛾の幼虫を引きずり出していく。腰に下げた革の
 ポーチの中に放り込まれて、芋虫たちはごそごそ動き回った。
 多分誰も食べないだろうから一人分。おれは肉よりこっちの方が好きだ。

 「キキョウ・・・・・そっちじゃない・・・・・」
 恐ろしい方向音痴の恋人をひきとめる呪眼暗殺者・リュウエンの声。
   
 すでに二人は狩りを追え、それぞれ猪やウサギ、鳥を担いで、山菜や木の実を探していたのだ。
 「リュウエン・・・・・・こっちにもある・・・・・・・・♪」
 銀髪の悪魔・キキョウは、山ほどなっている胡桃を見つけてはしゃいでおり、リュウエンの言葉も耳には
 いってないようだ。
   
 「・・・・・・・あ、山桃・・・・・・・・」
 「・・・・・・・だから・・・・そっちじゃない・・・・・」
 ついにリュウエンはキキョウの袖をつかんだ。
 「キキョウ・・・・・・沢山あるだろ、もう・・・・帰ろう・・・・・」
 「♪もう少しネ~。ほら、リュウエンも、もとたくさんあるヨ。」
 リュウエンはやれやれ、というように肩をすくめて、キキョウと一緒に採取を再開した。
   
 午前の風はまだ涼しくて、森の中は過ごしやすかった。
 時間的にもまだ朝露が残っていたが、高くなってきた日差しに暖められて、蒸気が立ち上りはじめてい
 た。湯気は二人の仲良しな時間を包むかのように、ゆっくりと広がっていった。
    
   
「おっばちゃーん!今日も野菜分けてくれへんか?」
 那由多へ導く銀箭の矢風・トイは、農作業をしている夫人に呼びかけた。
 顔見知りなのだろう、がっしりした中年の女性はトイをみて笑いかけた。
  
「あっら~、トイちゃんやないの。野菜はそこにおいてあるさかい、適当に見繕ってもってってや。」
 畑のはじっこに、にんじんやらキャベツやら、ピーマンやらが避けてある。
 「ほな、もらっていきますわ。おばちゃんおおきにー。」
 女性に頭を下げて、自転車の篭に野菜を放り込む。
   
「バーベキューゆうたらあとはイモにタマネギ、もやしやろなー。
 焼そばもかってったほうがいいやろか・・・・よっしゃ、値切ったるで!」
 自転車にまたがり、八百屋に向かう。
 トイはまずジュースやお茶などの飲み物を買って、近所の八百屋で野菜を見繕い、目に入ったのでスイカ
 もいっしょにする。申し訳程度に設けてある総菜のコーナーで、やきそばも見つかった。
 さてはて、いざ望んだ会計では、腕の見せ所だ。
   
「もっと負からへんか~?ええやないか、な、おばちゃん!」
 顔見知りの店で、賑やかに啖呵を切る。店の人もトイとの交渉を楽しんでいるのだ。
 結局、随分負けてもらった上に、にんじん一本のおまけももらって、トイはさっそうと泉に向かった。
    
「ステールッラさっすが~☆肉ゲット~♪」
 戻ってきたステールッラの獲物を見て、ユールナがはしゃいだ。
「今日は戦闘服じゃないんだね。」
 そういうエルドにステールッラは少し恥ずかしそうな顔をした。
「ああ・・狩猟は宗教儀式みたいなところがあるからさ。」
   
 そこに、トイとリュウエン達が戻ってきて、にぎやかなバーベキューが始まった。
 キキョウとリュウエンの持ってきた山菜や木の実にはステールッラが異常な興奮を見せた。
「わお、山桃に、鬼ぐるみに、山葡萄、ワケギにコゴミに、こりゃあエラじゃねえか。へえ~~よくやっ
 たなあ、俺のふるさとの味だよ。」
  
「はい、肉が焼けたよー。」
 エプロン姿のエルドが、皆を呼び集める。
 鉄板の傍らには、すでにラディクスが陣取って焼けたそばから肉を突いていた。
「このマトンって臭いなーー。僕はこっちの方が好きな。」
「好き嫌いしちゃ大きくなれないぞっ」
「ステールッラは何食ってそげん大きゅうなったん~w?」
「はい、こっちもできましたよー。」 
  
 魚介類担当、アヤノがサザエやら、半解凍のクジラ肉やらを持ってくる。
「ん~vv…美味しい~vv(にへらぁ)」
 
 ご所望のサザエをほおばって、満足そうなユールナに、クジラの肉に初挑戦するひとたち。好きなものだ
 け選って食べているラディクス。ステールッラは嫌いなピーマンを避けながら、芋虫の数が減っているの
 を気にしていた。
   
「やっぱ、おいしー!さすが僕!」
 エルドが何か自分の作ったものを食べたらしい。
「うん、おいしーねー。みんなで作るから?」
「うまい、うまい、おばちゃんの野菜うまいわ。ほいユールナ、人参やけたで。」
「ありがと、トイさ~ん☆」
「やめれって、こそばいやん。」
   
 皆が賑やかに騒いでいる中、イカが蒸し上がった。
 米が入っているのは多分三つくらい、調理したアヤノは当たり前だが、ラディの悪戯は知る由もない。大
 皿にどうっとイカを空けた。 みんなが順繰りに手を出していく。
   
「・・・・・うまい」
 リュウエンは当たりだったらしい。
「・・・・?なんか山菜入ってない?これ。」
「あ、アヤノも?僕のはクルミが入ってたよ。」
「羊だね、俺のは・・なんかピールとあわないなあ・・・おまえなんでこんな組み合わせ・・・」
 ステールッラとアヤノとエルドが顔を突き合わせた時、すごい悲鳴が上がった。
   
「ぎゃーーーーーー!虫はいってるーーー!!」
 見るとユールナが食べかけのイカを放り投げて、尻餅をついていた。
 ステールッラが拾い上げる。
  
「あれ、こりゃあ俺の虫じゃねえか。蛾の幼虫がイカを好むなんて聞いたことねえぞ。」
「それ、ボクがつくたなー☆」
悪いという自覚のない、屈託のない笑顔。
  
「ごはんがだけじゃあきたから、他のも入れてみたなー♪カラシとかもやってみたよ~。あ、パインある
 ~。たべたな~♪」
 きゃらきゃらと笑って、パイナップルに手を伸ばす鳥。
 自分で食べる気はないらしい。
   
「・・・・こりゃあ・・・とんだロシアンルーレットだぜ。ユールナ、これは俺がもらうぞ。」
 ステールッラは虫入りイカをかじりはじめた。
「食って食えないこともないな、まだ人数分あるぞ、ほら、食った食った。」
 ステールッラはからかうような笑みを浮かべて皆を急き立てた。彼も楽しんでいるようである。
  
 こうして、ロシアンルーレットならぬ、ロシアンイカが炸裂したのである。
「・・・・う、うん。美味しいと思うよ」
 と、引きつった顔のエルド。中に何が入っているかは不明。
「うわーーケーキ・・・」
 これはアヤノ。
  
「いやあ~~!食べたくないーー!!」
 さっきの虫のインパクトがよっぽど大きかったらしく、泣きながらユールナが飛んで逃げていく。後を追
 ったアヤノの捕鯨銛がぶつかって、泉にぼちゃーん。
「ピーマンに当たりませんように・・・はっ辛っ」
 ステールッラのはカラシだった様だ。しばらく舌を出して、お茶をがぶ飲みしていた。
  
「・・・・・?なんだろ・・・・・・牛と馬足したような・・・・・・・?」
 キキョウのイカからはみ出しているのは、よく焼けた何かの肉。
 好奇心で手を伸ばしたアヤノが一発で鯨肉だと言い当てた。
「なんやこれ、サザエやないか。火が入り過ぎて堅うなっとるで。」
「・・・・・・・あ、またご飯だ・・・・・・・」
 2度も当たり(?)を出したリュウエンと、まあまあ旨いんじゃないかというトイ。
 このロシアンイカを作った張本人は一人にこやかに、パインにかじりついていた。
    
 この、余興ともとれるロシアンイカも終わって、残った肉や野菜で焼きそばが作られた。みんな口直しを
 したかったのか、焼きそばは瞬く間になくなった。
「はーー食った、食った。ズボンがきつくなっちまった。」
「満腹!ごっそさん!」
「おいしかったな~☆またやろな~♪」
「ロシアンイカはいただけないけどねー。」
「うーん、満腹ネーー」
「クシュッ夏でも寒いよお~・・・」
「ユールナ・・・・・・・ほら、火・・・・・」
「でも楽しかったよね、おいしかったしさ。(微笑)みんな、ダージリンがはいったよ。」
  
 エルドが入れてくれた紅茶、ラディクスは砂糖を山ほど入れ、冷えているユールナは喜んで飲んだが、他
 は満腹のため辞退した。
 紅茶がすっかりさめてしまった頃、アヤノが立ち上がった。紅茶を一気に飲み干し、声を上げる。
 
「よし!では片付けますか、みなさん!」
 太陽は西に傾きはじめ、午後の日差しは残暑のように照りつけた。
 自分の皿だけ片付けるラディクスと、律儀に鉄板まで洗ってくれるエルド。
「夜は肝試しだからねーー!みんな来てよー!!」
「はーーい!」
 いつものように、泉ににぎやかな声が響いた。
   
     
 おしまい
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